Top > GOLDカルチャー担当 山路美佐の食べる、旅する、仕事する。 > > “料理人と生産者の情熱が溢れる” ベージュ アラン・デュカス 東京 「コレクション・ベージュ」へ
LINEで送る

GOLDカルチャー担当 山路美佐の食べる、旅する、仕事する。

2015/05/28 UP “料理人と生産者の情熱が溢れる” ベージュ アラン・デュカス 東京 「コレクション・ベージュ」へ

LINEで送る

東京・銀座のシャネルビルの最上階。大きな窓から昼はたっぷりの自然光、 夜は夜景が美しい、「ベージュ アラン・デュカス東京」。 専用エレベータでフロアに到着すると、そこに広がるのは別世界。 サービスの方に案内され、素敵な紳士淑女がお食事をされている間を通り抜けて 席に着くまでが、まるでランウェイを歩くモデルになったような気分になるので いつもよりとびきりドレスアップして訪れたくなるレストランのひとつです。

そんなグラン・メゾンらしさを味わえる空間や雰囲気はもちろん、 こちらを訪れるゲストたちが楽しみにしているのは、 とびきりの食材を、アラン・デュカス氏のエスプリを生かして 緻密に繊細に仕上げる、総料理長・小島景シェフの料理。

日ごろから、日本やフランスの食材の魅力をゲストに伝えている小島シェフが、 季節ごとに「特にすばらしい生産者の旬の食材の力を、採算度外視で伝えたい」と 今年から、特別コース「コレクション・ベージュ」を開催することになったと聞いて、 一か月ほど前にお伺いしてきました。

レストランフロアに到着して、まず通されたのはアペリティフコーナー。 食前酒を楽しんでいると、サービスの方が iPadを手渡してくれます。
IMG_7495
動画を再生すると、今回のコレクションの主役となる食材を作っている生産者を紹介したショートフィルムが流れます。これは、「心から尊敬する生産者一人一人のすばらしさを、少しでもゲストに伝えたい」という、コレクションの根幹となる、シェフの思いから生まれた、楽しい趣向。 これからいただく料理にも、食材にも期待が膨らみます。

ダイニングの入り口には、フードアーティスト 諏訪綾子さんが作る キー食材をメインにした楽しいディスプレイが!
IMG_7498 今回のメイン食材は 「グリーンアスパラガス」、「尾崎牛」、「モリーユ茸」、「チョコレート」、「玉露・抹茶」。 そこに、この旬にしか味わえない食材たちが脇を固めていきます。

そして、席に案内され、いよいよ「春のコレクション」ショーの始まりです。 ここで、一気にその全貌をご覧にいれましょう!

まずは一つ目のアミューズ。 「トマトのミニタルトと、ルバーブのタルト」 さわやかな酸味と香りが、一気に空腹を刺激し、食欲を掻き立てます。 IMG_7501

二つ目のアミューズは 「グリンピースのアイスとモリーユ茸」 さわやかで青々としたグリンピースと、生のモリーユの組み合わせ。生のモリーユは今回のコレクションで感動した食材の一つなのですが、詳細はのちほど。小さいお料理ながら、双方の香りと、茸の食感がインパクトあります。 IMG_7504のコピー

前菜の「プロバンス地方 ジェローム・ガリス氏のグリーンアスパラガス 宮崎県尾崎氏の黒毛和牛」 FullSizeRender 見てください!このみずみずしく、立派なアスパラガス!
このアスパラガスはプロバンス地方のジェローム・ガリスさんという生産者が作っているもの。プレベル種というフランス古来の品種で、甘味と繊維を感じさせない柔らかさが特徴だそう。収穫後すぐに空輸したものを使っています。この生産者は、アラン・デュカス氏がほれ込み、モナコのレストラン、ルイ・キャーンズ(小島シェフがスーシェフを務めていたレストランでもあります)でも使っているもの。プロバンスの畑から東京のレストランの皿の上に乗るまでにかかった時間はたったの2日。一口食べると、口にほとばしるアスパラガスの水分にびっくり。 この素晴らしいアスパラがいただけるのは、東京でもここだけ。本当にこの特別な機会だからこその醍醐味です。
そして、もう一つ忘れてはならないのは、しっとりと横たわる尾崎牛。赤身ですが、和牛本来の香りとうまみをしっかりと感じます。それぞれそのまま食べてもおいしいのですが、そのうまみを添えられているサバイヨンソース、柑橘のソースがぴったり。(尾崎牛についてのご紹介も後ほど!)

魚料理「舌平目のオーブン焼きとモリーユ茸のエチュベ、ヴァン・ジョーヌ」 FullSizeRender (1)
ドーバーソールに旬の生のモリーユ茸とフェベット(ソラマメの若いもの)の一皿。 写真では、わかりづらいかもしれませんが、このモリーユすごく大きいんです! ブリブリの肉厚な身に、ヴァン・ジョーヌのソースがたっぷりと絡まり、肉厚の舌平目の上品な舌触りにアクセントを与えてくれます。こんなモリーユ食べたことない! 聞けば、このモリーユ茸はアラン・デュカス氏が信頼し、20年の関係を築いてきたクレモン・フェラン在住の“きのこの目利き”が選んだもの。トルコの針葉樹に自生しているものを収穫した、希少なものだそうです。
旬はたったの二週間。まさに今しか味わえない幻の食材。いや、これ、来年も食べたいです。

肉料理「宮崎県 尾崎牛のロースト、グリンピースと春野菜」IMG_7508 メインは小島シェフが、最近出会った牛肉の中でも、特に感動したという「尾崎牛」。 「脂と赤身のバランスが素晴らしい。しつこくなく、香りと味があり、永遠に食べ続けられる和牛」と大絶賛するほど。 確かに、しっとりと焼き上げられた尾崎牛は、和牛ならではの香りや脂のおいしさがありながら、もたれない。添えられている春の鎌倉野菜のグリンピースの生き生きとした味わいと優しく調和する、懐の深さを感じる和牛です。

この和牛を作る宮崎県の畜産家、尾崎宗治さんはアメリカの農場での研究などを経て、独自の方法で和牛を育てている方。ビールの搾りかすや小麦、きのこ、海藻などの栄養価の高い13種類を配合したえさや、良質の天然水を、できるだけストレスのない環境で与えながら大切に牛を育てているため、月間生産数はわずか30頭。その肉のすばらしさに注目した世界のトップシェフからの注文も殺到し、いまや日本でも手に入れるのは大変困難な牛肉となっているそう。 通常のコースでは、なかなか扱えないこういった希少な食材がメニューにのるのも、 「コレクション」ならではの楽しさなんですね。

そして一つめのデザート。「玉露と柑橘類とフルール・ド・セル」
IMG_7511 「櫻井焙茶研究所」が今回のために厳選した福岡県の八女市産の「さえみどり」「つゆひかり」「おくみどり」「やぶきた」の新茶をブレンドした生の葉と、三種類の柑橘類をあわせたデザート。このまま食べてもよし、添えてある玉露をひとくち飲みながらいただくもよし、最後はソースのようにかけてもよし、といろいろ楽しめました。お茶の苦味と柑橘の香りがさわやかで、とてもよく合う春らしいデザートです。

二つ目のデザートは「ショコラと抹茶のタルト」 IMG_7514 円盤のような見た目も素敵。カカオ豆の選別から、焙煎、精錬、製品化までのすべてを ヴァスチーユの工房で一手に行っている「ル・ショコラ・アラン・デュカス マニュファクチュール・ア・パリ」のチョコレートと、抹茶のソルベのコラボレーション。 ペルー産のカカオ75%の少し酸味がある濃いチョコレートと、抹茶のしっかりとした味わいのマリアージュはこれぞ日仏の融合!と叫びたくなるほど、ぴったりの相性でした。

その季節ごとに手に入る、フランスと日本全国から集めた、選りすぐりの食材を、たった三日間のためだけにメニュー構成された「コレクション・ベージュ」は、 小島シェフのいわば“オートクチュール”料理。コースの最初から最後まで、食材の持つ強い力と、その魅力を引き出す料理人の情熱が、ひしひしと伝わってきます。

味や香りがピークを迎える旬の野菜、この季節にしか獲れない魚、希少な肉・・・・・・。 ほんのいっときの間にしか出会えない食材が持つ、おいしさの頂点を見極め、繊細に緻密に調理し、洗練の一皿に仕上げられた料理からは“食材の生命の輝き”があふれ、”食材の饒舌なおしゃべり“が聞こえてきました。

そして、皿の上に並ぶ料理のおいしさの、その向こうにある、食材を作った生産者たちの情熱や並々ならぬ努力と情熱を感じることができました。

季節とともにある食材との一期一会。贅沢なひとときは、今年、あと夏・秋・冬と開催されます。残りのそれぞれのコレクションの会期も開催されるのはたった二日間か三日間! 本当の贅沢とは。いろんなことを感じられたこのコレクション。 ここにしかない、知らない美味に出会えます。

*ご紹介した「春のコレクション」は終了しました。次回は6月開催の夏のコレクションです。
夏のコレクション:(会期)2015年6月26日、27日
テーマ食材:オマールブルー、アワビ、ウニ、沖縄のマンゴー、タヒチのバニラ
コース:ランチ2万円、ディナー3万円(税込)

ベージュ アランデュカス東京
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング10F
電話:03-5159-5500
URL:http://www.beige-tokyo.com/ja/

LINEで送る
一覧へ戻る
GOLD最新号
詳しく見る
160205_cover

2016年3月号
定価840円(本体778円)

購入する
GOLD 編集部
@GOLD_hensyubu

GOLD 最新号情報

ページのトップへ戻る
© SEKAI BUNKA PUBLISHING INC. All rights reserved.